高野 和希

①この職業に就いたきっかけを教えて下さい
元々は大学卒業後から4年程、大阪で商社の営業として働いていました。

そんな当時、Facebookで偶然目にした1枚の写真が人生の転機になりました。

それはウェディングフォトで、花嫁の手紙を読み終えた新婦が花束と共に両親へ贈る、結婚式のクライマックス。

新婦のお父さんが、涙する娘の肩を抱くような1シーンを写したものでした。

その写真を目にした時、全く知らない人のウェディングフォトなのにとても感動し、同時にここまで心動かされることがあるなんてと驚きました。

こんな風に感動を与えることができるってカメラマンってすごいなーと漠然と思ったことから、ウェディングカメラマンに転身することを決めました。

③今までの経歴を教えて下さい。
○千葉県出身で高校卒業後、4大の英語学科へ入学。
大学時にはアメリカ一人旅や、1ヶ月のヨーロッパ卒業旅行が良い思い出になってます。

○2011年に新卒採用で商社に入社。
すぐに大阪赴任となり、2011年から2015年まで大阪勤務。
→1枚の写真をきっかけに転職を決意

○2015年から独学でカメラの勉強を開始。
学校へ行くことも検討しましたが、学費を機材に当てて技術は独学で身につける方を選びました。

この期間は深夜バイトをしながら、雑誌やYOUTUBEを参考にカメラの勉強。

身近にあるものを撮りながら、ロジカルに写真の仕組みを理解していきました。

○2016年後半からカメラマンとして活動開始。
友達のウエディングを撮影し、写真をFacebookやインスタにあげる中でお問合せを頂くように!

④実際に今の職業をする中での

【醍醐味】
撮影中にプレビュー(編集前の撮りたての写真)をお見せた時の、お客様の嬉しそうな表情を見れること。

結婚式という一生に一回の大舞台の依頼をしてくれたということ、またその期待に応えられた時の達成感。

式後もお付き合いがあるお客様が多く、交友の輪が広がりました。

マタニティや家族フォトなど、お客様のその後の人生にもカメラマンとして関われるのは醍醐味です。

【大変なこと】
結婚式当日では初めての現場、初めてのスタッフなど、「はじめて」のことが毎回多いです。どんな人なのか、会場なのか、考えなのか諸々分からない状態で始めるので、様々な方とのコミュニケーションが必要です。

ロケ(前撮り)の場合は、初めての場所、想定外のこと(天気など)で撮影が自分のイメージ通りにいかないことが多いです。この場合はどうするのか、自分の引き出しを常に更新し沢山持っておくことが必要です。

【工夫している点】
安心感をもって撮影に来て頂けるように、撮影前にメールやLINEなどで細かく対応しています。

事前のケアは大切なので、お客様へは即返信を心掛けたり、回数無制限の打ち合わせを設けたり、インスタ等へのリアクションもまめにしています。

どんな場所でも最低限の自分のクオリティは出せるように技術の習得をしています。

⑤この職業に向いている人はどんな人だと思いますか?

1、先ずは誰かを喜ばすことが好きな人。

結婚式ってお客様にとって一生に一回の1番幸せで1番楽しい瞬間なので、カメラマンの感情が豊かだとより良いシーンを沢山撮れると思います。

2、表舞台よりも裏方のほうが好きな人。

主役は新郎新婦とゲストであり、カメラマンは黒子役。

自分の存在を消して目立たないくらいが現場では丁度良いと思っています。

テンションが凄く高いカメラマンは人によって加点もされますが、減点もされる気がします。

それより黒子に徹して自身は目立たず、でも確実に良いショットを残せるカメラマンでありたいと思っています。

3、新しいことに色々興味が出てくる人。

繰り返しますが、ウェディングの現場は初めての連続です。

沢山の初めてに対応していく為、また、自分のオリジナリティを出していく為にも、好奇心旺盛で色々な事に興味を持って試せる人は強いと思います。

 

⑥ウェディングカメラマンにはどうやったらなれますか?

  • 独学
  • 弟子入り
  • スタジオ勤務
  • 撮影会社に就職

技術をいち早く身に付け、最短で実務をするには独学がベストだと思っています。

今は以前よりもHowTo動画や情報も多いので、試行錯誤しながら学ぶ環境は十分あります。

でも、一人で学ぶ過程はなかなか孤独で気合も必要、、学校に通う事やカメラマンに弟子入りしたり、スタジオや撮影会社に就職する方法など道は沢山あります。

また、独学を選んだ方も結婚式内のルールや動き方などは事前に誰かに教わっておくことをお勧めします。

カメラ技術だけじゃなく、ウェディングについての知識も現場では必要なので!

⑦学生の内にやって良かった事、やれば良かった事はありますか?

良かったこと

■バイク屋:年齢層高いお客さんがくる接客のバイト

どの年齢でも会話を続けられるようになり、年上の方と話すのに心地よいテンポや話題が分かってきました。

年齢層がバラバラのお客様相手の接客経験はオススメです!

■一人旅(アメリカ、ヨーロッパ)

何も分からなくても、死なないし、なんとかなるし、優しい人が多いことに気付きました。

何か起きても動じなくなり、ある意味諦めや切り替えが早くなった事も良かったと思います。

やれば良かったこと

■美術の勉強

カメラマンになるなんて考えてもいなかったので、特に勉強しなかった事はちょっと後悔。

いろんな色や表現の仕方、その時の時代背景など知っておくと自分が表現する時に役立ちます。

⑧今後の展望やビジョン

■チーム化して、多くの案件に携わりたい。

居心地の良い人や同じ想いを持つ仲間とのチーム作り。

仕事のやりやすさとクオリティの高さも狙えますし、お客様とクリエイターがwin-winの相乗効果も期待出来ます。

■ウェディングフォトで地元の千葉県を少しでも盛り上げたい。

打倒東京・神奈川で色々仕掛けていきます!笑

千葉には海も森もあって、知られていない良いロケーションが沢山あります。

開拓しながら千葉での撮影を広げたいと思っています。

■ウェディングフォトで新しいブームを作っていきたい。

お二人にもっと合う場所、出会いの場所や思い入れのある場所など、よりオリジナルでお2人だけの撮影プランを。

カメラマン兼プランニングも出来たら楽しそうだなと思っています。

⑨ウェディングを目指す学生にメッセージをお願いします。

新郎新婦の年齢、背景、職業はバラバラです。

どんな方が来られても話が出来るような知識や話題のストック、コミュニケーション能力があるとかなり武器になります。

また、結婚式への思い入れが強い方はそれ故に言い方や主張が強くなったり、一見クレーマーのように捉えられることもあります。

ですが、その奥にあるのは結婚式に対する熱い想い。

物事をフラットな中立の立場で見れるように意識しておくと、どんなお客様とも前向きなコミュニケーションが取れ、接客が楽しくなると思います。頑張って下さい!!

ーインタビュー、編集を終えてー
ウェディングのカメラマンを目指す学生にとって「独学」でその道を切り開いた高野君の姿は眩しいんじゃないだろうか。

実際ウェディングの現場でも学校を出る・撮影会社へ入るのいずれかのルートを通ったカメラマンが多い中、自らの学びだけで勝負している彼って凄いと思う。

それは意思の強さや、何事へもトライandエラーを恐れない行動力があってこそ。そして高野君にはスピードまである。

ちなみに人生を変えた1枚の写真を撮ったカメラマンとは、その後お仕事でお会いしているそう♡!その写真から高野君のウェディングカメラマンへの路が始まり、その路の先にきっかけをくれたカメラマンと カメラマンとして出逢えているなんて、、彼の人生はドラマチックだなと思う。

そして夢を直向きに追うと結果は付いてくるのだと…励まされる想いもする。

高野君は日本で1番有名なあのテーマパーク(@千葉←笑)での撮影経験も豊富なんだって!

ぜひ学生の皆さんには、そんな彼から直接熱のある話を聞いて欲しいと思う。
writting ヘアメイク西山由記